VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

郷原は、新橋ダイヤモンドパレスホテル近くの、土橋インターから首都高速道路に乗ると、西銀座ジャンクションから江戸橋ジャンクションを抜けて、首都高速6号向島線に入った。年末の30日だというのに、相変わらず首都高は渋滞気味でイライラした。一 ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

「鑑識結果が出たらしいぞ郷原。座ってくれ」と、川嶋が促し、ソファに刑事二人を通した。

 郷原と川嶋がその対面の上座へ座り、田代は少し離れた簡易椅子に腰かけた。刑事たちは挨拶もそこそこで、すぐに結果報告が始まった。

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 やがて現場に到着した川嶋と郷原だったが、川嶋は真っ先に社長室に置いてある、会社の金庫を確認した。案の上、金庫が開けられていた。

「ダイヤルロック式だぞ?! なんで暗証番号がわかったんだッ!」

 川嶋は憤慨ふん ...