CHAPTER7、逃走(2)
郷原は、新橋ダイヤモンドパレスホテル近くの、土橋インターから首都高速道路に乗ると、西銀座ジャンクションから江戸橋ジャンクションを抜けて、首都高速6号向島線に入った。年末の30日だというのに、相変わらず首都高は渋滞気味でイライラした。一 ...
CHAPTER6、黒い龍(1)
もやのかかった砂浜――。霧にかすむ波間には、二つの大きな黒い岩……。しめ縄が巡らされている……。
郷原は、その砂浜にポツンと一人、立っていた。
誰もいない寂しい砂浜のはずなのに、強い視線を感じる……。ふと ...