第二十七話 CHAPTER9、占い賭博(2)
「では志垣会長、ライフル銃の時限発射装置のスタートボタンを、押してください」
志垣は、浜崎に促されるまま、観覧用のソファに座り、時限発射装置のスタートボタンを押した。じりじりと、部屋の隅に置かれた水平移動装置の上のライフ ...
第二十六話 CHAPTER9、占い賭博(1)
その翌日、占い賭博当日。
数人の男たちが、赤坂シンフォニーホテルの広々としたロイヤルスィートルームに集まり、なにやら立ち働いていた。
室内中央には、丸いシンプルな椅子と、その椅子と一体型になっている、小さ ...
第二十四話 CHAPTER8、調印(2)
賭博の取り決めの書類は、以下の通りであった。
誓約書
1、志垣智成(以下 甲)は、来る12月25日 港区六本木1-○○―××にて行われる 橋爪功治 対 原口信夫のボクシングハンデ戦に ...
第二十三話 CHAPTER8、調印(1)
志垣老人の、深刻で、独特な悩みというのは、こういった内容である。志垣智成は長年、信仰に生きてきた人間だ。修験道を学び、大日如来を本尊とあがめ、宗教を日々実践して生きてきた。その宗教的カリスマで人を動かし、いつの間にか全国に信徒を50 ...
第二十話 CHAPTER7、一夜(1)
郷原悟と、北山あかりが、なんとなく同じベッドで眠っていた頃、都内某所にあるボクシングジムでは、一人の男がスパーリングの練習をしていた。
男の年齢は、かなり若そうで、青年といった感じであるが、顔色は冴えず、目の色は苦悩と ...