CHAPTERⅠ、あっという間の再会(2)
その数時間前のこと――。
郷原の部下で、かつ、お守り役である元刑事の田代英明は、家の中で、今日、病院から帰ってきたばかりの母親と、息子の直人から、白い視線を浴びせられていた。
特に、田代の息子、直人の視線 ...
最終話 FINALCHAPTER、祈り
年の移り変わりを華やかに盛り上げようと、デコレーションされた、賑やかな夕闇の街。
この大東京は、孤独な地方出身者で溢れ返っている。だから、盆と暮れにはみんながふるさとへと帰っていって、妙に街は静かなのだが、それでも大晦 ...
第三十一話 CHAPTER10、占い結果(3)
郷原は、夜のネオンの中を、ひたすら走った。赤坂から、六本木を目指して――。
六本木通りへと続く道は、今夜は渋滞している。タクシーを利用して、足止めを食っているうちに、取り返しのつかないことになったら――!!
そ ...
第三十話 CHAPTER10、占い結果(2)
試合開始まで、残り25分――。
赤坂シンフォニーホテルの最上階、1泊120万円の、ロイヤルスィートルーム。
志垣智成はその部屋に置かれた、ゆったりしたソファで、ふんぞりかえってシェリーを飲んでいた。
第二十九話 CHAPTER10、占い結果(1)
首都高の高架が、六本木通りと平行に、どこまでも伸びていた。
東京メトロ “六本木駅” を降りて、麻布方向へとしばし歩く。
騒がしい交通と、人いきれを渡り、六本木らしい煌びやかな通りから、やや奥