VICE-ヴァイスー孤独な予言者, 公開中の小説

 しんと静まり返った、夜明け間際の空気――。

 空調はしてあるようでも、郷原の手の中に収まったベレッタ・M91の銃把じゅうはは、芯から冷たく凍り付いていた。

 唸うなり声がする――。さっき、どてっ腹に一発、お見 ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者, 公開中の小説

 田代は首を捻った。今、東京では、この司法書士、行政書士が過剰気味だとも言われている。その何割かは弁護士事務所やコンサルタント会社などに就職できず、かといって個人で大々的に商売をする体力もないから、自宅を事務所ということにして行う個人 ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者, 公開中の小説

 田代の話は、こうだ。

 しらゆりテレフォンサービスに、郷原から託された、03―××××―△△△△という番号を調べに行った田代は、そこの社長からこの番号をここ何年も、ずっと使っている業者が“桂川興産かつらがわこうさん”とい ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者, 公開中の小説

「星が、そう指し示している……。何かを隠すためのアイテム……。それらの販売……。山本さん、アンタが詐欺に遭ったファインメディカルだけど……」

 郷原は、ソファから身を起こして、山本のほうを向いた。

「そもそも、 ...