第二十二話 CHAPTER７、一夜（３）
あかり――。
深い霧の中で、懐かしい男の声がした。あかりは声のするほうへと夢中で走っていった。
（どこ……？ どこにいるの？ お父ちゃんっ！ あたしはここにいるよっ！ みんなみんな、誰も居なくなっちゃったよ ...
第二十一話 CHAPTER７、一夜（２）
「あのね、一人で飲むからそんな、アル中みたいになっちゃうんだよ。落ち込んでたり、辛いときはね、余計に一人で飲んじゃダメなの。ずぶずぶになって、そんな自分にまた嫌気が差して、それを忘れるためにまた飲んでって、繰り返しになっちゃうんだよ… ...
第十六話 CHAPTER５、突入（３）
その頃、新橋ダイヤモンドパレスホテルでは、川嶋がすでに待ち構えていた。田代から、郷原をどうにか回収したと報告を受けて、駆けつけてきたのである。本当は、久子も来ると言って聞かなかったのだが、まさか銃で撃たれているなどとても久子には言え ...
第十四話 CHAPTER５、突入（１）
しんと静まり返った、夜明け間際の空気――。
空調はしてあるようでも、郷原の手の中に収まったベレッタ・Ｍ９１の銃把じゅうはは、芯から冷たく凍り付いていた。
唸うなり声がする――。さっき、どてっ腹に一発、お見 ...