CHAPTER7、逃走(1)
「こうなりゃ、郷原にすぐ、こいつを引き渡すしかねぇ……」
運転手の石塚は、ハンドルを必死に押さえて言った。
「しかし、果たして、女と引き換えだったとして、郷原が来るでしょうか……? 長年、否定し続けてきたので ...
CHAPTER6、黒い龍(3)
あかりは恐怖を感じて、思わず散らかった室内を後ずさり、物陰に隠れた。
人影はせわしなく鍵を開け、プレハブ小屋のサッシの入り口を開けると、懐中電灯で室内を見回した。
「おい、居るのか? 大丈夫か?!」 ...
CHAPTER2、連れ去られたあかり(2)
やがて現場に到着した川嶋と郷原だったが、川嶋は真っ先に社長室に置いてある、会社の金庫を確認した。案の上、金庫が開けられていた。
「ダイヤルロック式だぞ?! なんで暗証番号がわかったんだッ!」
川嶋は憤慨ふん ...