第十八話 CHAPTER6、対決(2)
池田がまだ厚生労働省で、法人担当課長をしていた頃――。
池田の上司だった官僚が、早期定年後に天下りとして時雨製薬の役員に就任した。その上司と池田は、かなり親密であったらしい。時雨製薬に上司が籍を移してからも、ちょくち ...
第十三話 CHAPTER4、罠(3)
田代は首を捻った。今、東京では、この司法書士、行政書士が過剰気味だとも言われている。その何割かは弁護士事務所やコンサルタント会社などに就職できず、かといって個人で大々的に商売をする体力もないから、自宅を事務所ということにして行う個人 ...
第三話 CHAPTERⅠ、詐欺(2)
「本当か?」
「ああ。これならたぶん、ハメるのはわけない。簡単にすっ転ぶだろう」
「具体的には、どうしたら……?」
川嶋は、思わず身を乗り出していた。
「そうだな……。この息子は、医者 ...