第二十八話 CHAPTER9、占い賭博(3)
パァァァ……ン――!!!
鼓膜が張り裂けそうなほどの銃声だった。たましいごと、粉々になりそうな爆発が、とたんに郷原をこの世ならざる空間にとどめていたドーパミンの分泌を、完全に止めた。
4発目――。 ...
第二十七話 CHAPTER9、占い賭博(2)
「では志垣会長、ライフル銃の時限発射装置のスタートボタンを、押してください」
志垣は、浜崎に促されるまま、観覧用のソファに座り、時限発射装置のスタートボタンを押した。じりじりと、部屋の隅に置かれた水平移動装置の上のライフ ...
第二十六話 CHAPTER9、占い賭博(1)
その翌日、占い賭博当日。
数人の男たちが、赤坂シンフォニーホテルの広々としたロイヤルスィートルームに集まり、なにやら立ち働いていた。
室内中央には、丸いシンプルな椅子と、その椅子と一体型になっている、小さ ...
第二十五話 CHAPTER8、調印(3)
郷原は、ランボルギーニに乗り込むと、遠回りしながら赤坂のシンフォニーホテルへと帰った。結局ここしか行き場がなかった。
組長が用意した部屋へ戻ると郷原は、熱いシャワーを浴びた。
(そういえば、山本のやつ、今ご ...
第二十四話 CHAPTER8、調印(2)
賭博の取り決めの書類は、以下の通りであった。
誓約書
1、志垣智成(以下 甲)は、来る12月25日 港区六本木1-○○―××にて行われる 橋爪功治 対 原口信夫のボクシングハンデ戦に ...