VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 

 引きこもりの永森が、エロ動画サイトを眺めながらゴロゴロしていると、不意にピンポーン、という呼び鈴が鳴った。慌ててエロ動画を消して起き上がり、インターホンを覗いてみると、見たことのあるオッサンが立っていたので、半纏はん ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 その頃――。

 ちょうど地球の反対側、アメリカ・アリゾナ州。

 ソノラ砂漠にある巨大水素燃料実験場「ソノラシティ」では、日本国外務省科学技術企画部の上田部長が、行方不明になった部下、宮下広夢みやしたひろむの捜 ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 やがて現場に到着した川嶋と郷原だったが、川嶋は真っ先に社長室に置いてある、会社の金庫を確認した。案の上、金庫が開けられていた。

「ダイヤルロック式だぞ?! なんで暗証番号がわかったんだッ!」

 川嶋は憤慨ふん ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者, 公開中の小説

 パァァァ……ン――!!!

 鼓膜が張り裂けそうなほどの銃声だった。たましいごと、粉々になりそうな爆発が、とたんに郷原をこの世ならざる空間にとどめていたドーパミンの分泌を、完全に止めた。

 4発目――。 ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者, 公開中の小説

「では志垣会長、ライフル銃の時限発射装置のスタートボタンを、押してください」

 志垣は、浜崎に促されるまま、観覧用のソファに座り、時限発射装置のスタートボタンを押した。じりじりと、部屋の隅に置かれた水平移動装置の上のライフ ...