CHAPTER1、あっという間の再会(3)
「もう嫌……。どこに行ったらいいの……? あたし……」
あかりがポケットに手を入れて、深いため息を吐き、歩き出そうとした次の瞬間。「げぇッ!! オエッ!!」と、誰かが吐いているような音が聞こえた。
(何? ...
CHAPTERⅠ、あっという間の再会(2)
その数時間前のこと――。
郷原の部下で、かつ、お守り役である元刑事の田代英明は、家の中で、今日、病院から帰ってきたばかりの母親と、息子の直人から、白い視線を浴びせられていた。
特に、田代の息子、直人の視線 ...
CHAPTER1、あっという間の再会(1)
(前作からの続き)
長い長い、占い賭博が終わった。
病院の暗い待合ロビーで今、人を一人、死に追い詰めた男……、郷原悟ごうはらさとるが、自分のせいでこんなことになった相手のために祈り、震えているのを見て、郷原 ...
第三十一話 CHAPTER10、占い結果(3)
郷原は、夜のネオンの中を、ひたすら走った。赤坂から、六本木を目指して――。
六本木通りへと続く道は、今夜は渋滞している。タクシーを利用して、足止めを食っているうちに、取り返しのつかないことになったら――!!
そ ...
第三十話 CHAPTER10、占い結果(2)
試合開始まで、残り25分――。
赤坂シンフォニーホテルの最上階、1泊120万円の、ロイヤルスィートルーム。
志垣智成はその部屋に置かれた、ゆったりしたソファで、ふんぞりかえってシェリーを飲んでいた。