西洋占星術の星座はまるでズレている問題と「風の時代」のウソ

 どうも私です。

 さて、実は西洋占星術と言えば、みなさんすぐ思い浮かぶのは「12星座占い」ではないかと思うのですが、この「12星座占い」って実は、現実の夜空の星座とはぜんぜんズレているうえに、日本とインドでは違うんだということ、ご存知ですか?

 インド――。そう――。カレーとマハラジャとヨガの国です。日本からはほんの5000~6000キロ隔てた場所の国です。なんと、かの地と日本では、生まれ星座がまったく違います。

 

 たったの5~6000キロ離れただけで、星座が違うんです。雑誌ライターさんとか、12星座でご飯食べている人には申し訳ありませんが、たったインドと日本というだけで、星座が違うんです! 

 

 国が違えば違うルールになってしまうものは「文化」であって「真理」ではありません。真理でないものを真理だと思い込む人がいたとしたら、それは単に「信じたい」だけです。

 

 なんでインドと日本で星座がちゃうの?? と思った方。

 今日はこの記事で、西洋占星術の星座は現実の夜空とだいぶ違うのだということを、懇切丁寧に、写真付きで解説していきましょう。永久保存版です。

 

 さて、こちらの写真を見てください。↓  ↓  ↓

 これは2019年1月10日、午前6時頃の東京都府中市から見た南東の低い空です。電柱の光の向かって右側(南西方向)に、真っ白くてはっきりした「点」が見えるでしょう。

 実はこれ、「金星」なんです。

 金星は全天で太陽、月に次いで3番目に明るい星です。いろいろと条件が整ったときの最大光度は満月の約2万分の1程度で、あまりの明るさのために金星は水に映ります(しかも金星は月のように満ち欠けします)。

 その電柱の横に映る、はっきりした明るく大きな「点(金星)」のさらに下に、それよりかは弱い光だけれどもしかしはっきりと映っているもう一つの「点」が見えますよね。

 これが実は「木星」です。

 木星は全天中4番目に明るい星です。木星も条件が非常に整うと水に映ります。

 んで、実は木星の、向かってさらに右側に、うっすらうっすら、ごくごくかすかな光が映っているんですが――。解像度が悪いので補正してみたのがこちら。↓  ↓  ↓

 木星の右隣に映っているのが、実は「さそり座の心臓」として有名な一等星「アンタレス」です。

 これで見ると金星、木星、アンタレスが、ごくごく近い空間に集まっているように見えます。この写真を素直に見れば、みなさんは、「木星がアンタレスのすぐ左(東側)にいる」と思いますよね?? 少なくとも、アンタレスのすぐそばに木星がいるのだから、この写真の木星は「何座にいると考えられますか?」と問われれば、誰でも素直に「さそり座が一番近いからさそり座なんじゃないですかね?」というと思います。

 

 と・こ・ろ・が。

 

 この写真を撮った、2019年1月10日の「木星」を、西洋占星術の星占いに使う天文歴で確認してみると、なんと!! この木星は「いて座13度」と記載されています!!

 ええ?? 「いて座??」どこがやねん、と。アンタレスのすぐよこちょにあるんだから、どう見たって「さそり座」でしょ?? なんで「いて座」だなんてとんでもないインフォメーションするの??

 さらに金星は「いて座2度」になっているのですが、あれ?? おかしくない?? だって金星より東(太陽が昇ってくる方角)に近い位置に木星があって、その木星のすぐ右にさそり座のアンタレスでしょ?? アンタレスは「さそりの心臓」と呼ばれるくらいだから、当然、「さそり座」の真ん中あたりの恒星なわけです。そのアンタレスよりさらに南にある金星が「いて座2度???」いや、どう見ても「さそり座の先頭」のほうやがな。「さそり座2度」と書かれているならわかるけど、天文暦の印刷ミス???

 

 ということでじゃあ、この写真を撮った2019年1月10日AM6:00、木星が宿ることになっている「いて座」はどこにあるのか? ということで、アンタレスの位置から推測されるフラムスティード星図を重ねてみたのが次の画像です。↓  ↓  ↓

 

 あ、あれ??????

 

 い、いて座は????

 

 いて座はまだ空にも現れていないじゃないかぁぁぁぁ!!!!

 

 …このとき星図を重ね合わせると、実は「いて座」はこの日、太陽が背景に背負って登ってくる予定になっている星座でございまして、この日の東京の日のでは6:51分です。この写真を撮ったのは朝の6時ちょうどか、6時10分前後くらいですので、「いて座」はほんのちょっとだけ、先っぽの前半部分がうっすら地平線から現れただけの状態。

 

 んで、みなさん、思い出してください。

 

 めざましテレビや、石井ゆかりさんの「星占いシリーズ」、占星術KEIKOさん、占星術yujiさん、しいたけさんの12星座占い、鏡リュウジさんの星占いでは、1月10日がお誕生日の場合、生まれ星座は「何座」と書かれていますか??

 

 そう――。一般的な星占いですと、1月10日に生まれた人の誕生星座(つまり、その日の太陽が背景に背負っていた星座)は、「やぎ座」になりますね。どの星占いもそうです。

 

 でも、あれれ?? この写真は、どこにも「やぎ座」がいないよ!!

 

 これどういうこと???

 

 この写真だと、1月10日生まれは少なくとも「やぎ座」では断じてない。だってうっすら明るくなりつつある東の地平線に現れかかっているのは「いて座」であって、「いて座」もかなりの空間的広さを持っていて、これではまだ前半のほうしか現れてなくて、真ん中くらいまでいて座が昇ったとき、太陽がそれと一緒に上がってくるわけでしょ??

 

 もう星占い、でたらめじゃん!!! めっちゃくちゃじゃん!!!!

 

 ……そうなんです。その通りです。この写真を見せてやると占星術師は反論の余地がありません。そもそもみんな、大抵の星占い師は「星空観測」なんかしたことがないのです。黄道12星座でさえ、ぜんぶ肉眼で見たことがない人が多いと思いますよ。

 じゃあなんで、西洋占星術の「星座」はこんなにデタラメなのか?! というと、それに対する明確な答えをだーーーーーれも持っていません。

 

 いちおう、今から2000年~2100年ほど前は、ちゃんと星座と、そこに宿る惑星の関係は、西洋占星術でも合っていました。ただ、星空は1年で72秒ほども、現実の夜空と日の出の太陽がズレていきます。んで、西洋占星術は2000~2100年前の惑星と星座の関係を「固定」したまま、この21世紀の現代まで続いているのです。そこに明確な理由はありません。なぜ3000年前でも、4500年前でもなく、8000年前でも、1万年前の星空でもなく、2000年~2100年前の星空で固定しなければいけなかっつたのか。誰一人答えられる星占い師はいないでしょう。そこに明確な理由はないのです。

 

 いちおう、古代史や、キリスト教の文献、古天文学や神話学の本を読みこんでいくと、「もしかしたらそういうことかも知れない」ということが、おぼろげながらに見えてきます。どうも人類は、数千年前、文明が破滅するまで行ってしまって、そこからたてなおってようやく天文学が復興したのが2100年前頃。だから、そこで改めて星空を固定したんではないかというのが、筆者(酒井)の持説です。

 

 んで、実はこのことは、私が書いた占星術小説「VICE-ヴァイスー孤独な予言者Ⅱ」で描こうとがんばっています。もちろん学会の定説ではありません。世間的には認められていない説ですが、さまざまな本を読んで私は、西洋占星術のズレた星座の「なぜ?」の背景には、人類の壮絶な文明崩壊の歴史が隠されているのではないかなと思うのです。

 

 ぜひ、描きあがったら「孤独な予言者Ⅱ」を読んでくださいね!! 主人公・郷原悟が、占星術のこの「2100年前に固定された星空の秘密」に迫っていきます!!

 

 さて。実はこの「見かけの星空と惑星の関係のズレ」に対して、否、と打ち出したのが、実はインド人なんですねぇ。だからインド人がやっている「インド式占星術」は、ほぼ、見かけの星座と惑星の関係が合っています。「ただしい」とは言いません。言いませんけど、「だいたい合っている」。

 なんで「だいたい」かというと、実はこよみの編者次第で微妙に星座の位置が違うからです。これは世界中の頭の良い、ずば抜けた天文学者でも同じようなことで、いちおう天文学者が作った「星図」も、微妙に、作った人ごとに特性がありますね。「だいたい合っている」けど「厳密に合っているか」というと、そこは数学の罠なんです。だから一番よいのは自分が肉眼でちゃんと確認すること。他人の言っていることを妄信するのではなく、この目で見て、自分の感性で「今日の木星はやっぱりさそり座だな」と思えばいいのです。今の星占いは、現代日本人が光害で星空をちゃんと見れなくなったことに乗っかっているだけの「確信犯」です。

 

 ちなみに、インド人式の「だいたい合っている惑星と星座の関係」のことを、サイデリアル黄道、西洋占星術式の「もうズレズレの約2100年前に固定された惑星と星座の関係」のことを、トロピカル黄道と言います。

 

 これには西洋キリスト教社会と、東洋仏教文化の違いが明確に見て取れます。

 仏教徒の人口が多い国、または、仏教の母体であるヒンズー教が強いアジアではサイデリアル黄道を好みます。対して、キリスト教徒の人口が多い国はトロピカル黄道を好みます。日本は本来仏教国ですから、サイデリアル黄道でなければおかしいのです。仏教やヒンズー教のアジアの宗教は、「一切は移り変わる」という無常観がベースですから、星空を永久不滅のものとはとらえていないのです。だからちゃんと、現実に刻々と変わる星空を受け入れて、この人の世の不条理を描こうとする。

 

 対してキリスト教文明は、神とは永久不滅の唯一神ですから、黄道を固定して動かなくさせる、永遠に変わらない宇宙というものに矛盾があるとは考えないようです。しかし、これがさらに占星学を「気持ちの悪い精神病の温床」にしている面は否めません。ちゃんと背景の思想を知らないまま、ただ、垂れ流しているマスコミ星占いには害悪しかないということです。西洋占星術がなぜ「本物の星空ではないのか」には、ものすごく重要な意味が隠されているのですが、まぁ、星占いはただの広告媒体ですからね。そこまで考えてないですよ書く方も読むほうも。

 

 そんな感じで、星空がズレているのは、おわかりいただけたと思うのですが、そこでまたはたと考えてしまうのが、最近ネットで流行っている「風の時代」という、いかにもキャッチーな、業者の広告コピーみたいな言葉。

 

 私も身近な人にやたらと聞かれるので、「気のせいです」「ねつ造です」「意味ありません」と事あるごとに答えてきましたが――。

 これも、西洋占星術がズレた星座であるなら、いったいお前さんたちは何を根拠に「風の時代」などとのたまっているのかね? ということですが、「風の時代」とはそもそもなんなのかということをかいつまんで解説してみますと、先ほども述べたように、西洋占星術(星占い)は、なぜだか、2000~2100年前の星空を永久固定したまま現代まで来ているんですが、12個の星座にはそれぞれ「火地風水」という4つの元素が割り当てられています。↓  ↓  ↓

 んで、木星と土星が、2020年の12月12日頃に天空上で「ピタリと重なる」のが、「みずがめ座の最初」だと言うので、みずがめ座は「風」の元素があてがわれている星座だから、それで「風の時代だ」と言っているのです。

 

 ただし、何度も言うようですが先ほども写真で示した通り、ほぼ1星座ズレちゃっているわけですよね星空が。

 

 なので、「風の星座のみずがめ座で木星と土星が重なったから、“風の時代だ”」と、そこらへんのおっぺけぺぇ星占い師が喧伝しているわけですが、残念ながら現実の夜空は以下の通りです。(撮影日:2020年12月5日午後5時30分頃。撮影場所:東京都調布市)

 

 まず、ふつうに写した写真を、ちょっと点を強調したもの↓  ↓  ↓

 これに、星図を重ねてみたものが以下の通りです。↓  ↓  ↓

 

 星占い師たちは「みずがめ座の最初」で、木星と土星が重なるの「だから」、「風の時代だ」と主張しているわけですけれども、どう見てもこの二つの惑星は「いて座とやぎ座のはざま」あたりにあるようにしか見えませんね。みずがめ座は、もうこの写真に納まらないくらい、だいーーーーーぶ南東方向にあります。

 

 どこが「風の時代」やねん。

 

 ということで、要は、星占い書いてごはんを食べなくちゃいけない作家さんと出版社が、どうにか「記念日商法」をしたい一心で編み出した「宣伝コピー」にしかすぎないのが「風の時代」とかいう文言なだけで、完全なねつ造、うそ、クリエイションだと言っても過言ではないかも知れません。現にインド占星術をやっている人からはこんな、「風の時代」だなんて嘘の商売コピーは聞かれません。

 だってインドではどうみても「やぎ座の頭のほう」もしくは「いて座の終わりのほう」で、土星と木星が重なるのであって、見かけの夜空に忠実ですからね。むしろインド人に言わせれば、地の元素が割り当てられている「やぎ座」に突入するのですから、「風の時代」どころか「地の時代」の始まりなわけですよ。

 地というのは物質を示すわけです。「風の時代」で経済が変わる、みんなが物欲から自由になる、自由主義経済からフリーになるという妄想を語っているわけですが、どうみても「地の時代」の幕開けであり、おそらくおカネを稼ぐということがより一層シビアになり、食料や土地の奪い合いの、恐ろしい時代に突入するのかも知れませんよ。

酒井日香の占星術小説はここから

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