Twitter占星術とお客さんを占える占星術は違うという話

 最近、とある占い館経営者の方のブログが面白くて、しょっちゅう覗いています。このブログさまです。→マリーシェル|チャット占いUranow(ウラナーウ)と秋葉原・吉祥寺の占い館 (ameblo.jp)

 「占い師」という人間どもは、ケン・ウィルバーの心理学で分析すると、赤ちゃんから始まって高度に発達した大人の心になるまで9つの心理的な段階があるのですけれども、↓  ↓  ↓

 ↑この「意識の基本構造モデル」において「2ー空想的・情動的」レベルの心理に囚われた、人間としてまだまだこころが赤ちゃんレベルの人間がひっじょーーーーーーーーーに多いので、それらの人々に日々接しているこの社長さんのご苦労は泣けてくるほどよーーーーーーくわかります(汗)。もう7割~8割くらいの人が、ケン・ウィルバー心理学から分析すると赤ちゃん時代のメンタリティである「2-空想的・情動的」レベルの心理的発達で止まっています。

 ウィルバー心理学と占星術については、詳しくは弊ブログ内記事「ケン・ウィルバー哲学と超次元占星術の融合」をお読みください。

 ちなみにウィルバーの心理モデルでは、「1ー3」までが赤ちゃんレベル、最低の人間性によく表れるレベル、せいぜい幼児か、就学児童期くらいのメンタリティであり、「4ー6」が中学生か高校生、または大学、社会人になり立てくらいまで。そこから「7ー9」が一生で、できれば「9」まで行って完成して、人は死ぬことを推奨しています。「4ー6」のレベルをうろうろしたまま、一生本当の気づきに至れないまま寿命が来て、死んでしまうこともありますし、一瞬でも7以上の世界を垣間見れば、それ以降の人生はがらりと変わる。「7ー9」の階層に長時間とどまることはヒマラヤのヨギたちでも難しく、最高ランク9ともなると仏陀、イエス、ムハンマド等の限られた人々や、何世紀も生き続けているとされるババジとか、それくらいの限られた人たちです。

 ウィルバーは全人口の半分か、もしくは、もっと多い割合で「7ー9」の高次心理に至れないまま死ぬと言っていますね。一般社会においては「4ー6」の、ごくごく平凡なレベルの心理発達の人が一番多いのですが(それゆえ一瞬でも7ー9階層を垣間見た人は一般社会で一目置かれる)、占い業界に目をやると、表面的には「4ー6階層」に見えても、言動や行動が「1ー3階層」の人が圧倒的に多いわけです(汗)。

 だからこそ現実社会でうまく適応できず、それで、「あたしって何だろう、何だろう」とカードめくりを繰り返し、意味不明な星座もやもや観念がたりを何十年でもやりつづけ、その延長で占い師になろうとする。もやもや星座語りとか、一般書店で無責任に売られているいい加減な占星術入門本にヤラれて、一生そんなことをし続けている人が、ちょっと自分がキモチよくなったぐらいで「私でも占いできる」と思い込み、占い館に大挙して押しかけるわけですよ(汗)。

 マリーシェルの社長さんのご苦労がもう、透視レベルにわかります(汗)。いや、もう透視できてます(汗)。そして私は今、本当に人の悩みに寄り添える、本当に悩みを解決できる「お仕事として成立するプロ占星術家」を育てるために講座を地道に行っていますが、お金をいただいて生身のお客さんを占わせていただくことと、雰囲気で詩吟できる、とにかく妄想でもなんでも自説を延々としゃべり続けられる占いとは、まったく別モノです。

 現実に、「ライターがお遊びで書いた占星術入門書」の読み方をそのまま街頭占いでやってしまって、怒ったお客さんにぶん殴られた占い師を私は知っています。本当に生死のはざまにあり、メンタルの危機にある人が、最後の望みで占い師、または占星術師のところへ来ることがあるんです。そこをゆめゆめ忘れないでくれと思う。

 そのとき、ドラゴニックチャートサインがあーだこーだ、サビアンの何度があーだこーだ、カードの象意があーだこーだ、あなたの感性がうんぬん、幻想的でたおやかでしなやかで甘く切なく……、みたいな、わけのわかんないもやもやを延々言われ続けたら、そりゃあ刺されて当然です。だから本当に無責任な占星術はやらないでくださいと思う。そして市販本で勉強しないでください。あれは遊びであってプロのためのものではありません。

 門馬さんは、この辺のことにはかなり厳しかったです。だから弟子たちに本当に、高いおカネをいただいて鑑定したときの実占例集を何度も、何度も、悩みの種類ごとにこう読む、こう読むとすごく丁寧に教えてくれて、門馬一門の末裔たちは未だに多くの人が現場でホロスコープを読んでいるし、門馬さんの占星術の手ほどきを受けた人は、妄想自分ひたすら語り占星術が気持ち悪いと思います(汗)。みんな今の占星術の焼野原の状態を嘆いていると思いますよ。

 つまり、何が言いたいのかというと、このマリーシェルの社長さんのおっしゃりたいことは、占星術にもそのまま当てはまるということです(涙)。

 それで、占星術を勉強した人は、占い館のオーディションに行くと延々と「サビアンの度数がうんぬんかんぬん」、「風のエレメントがどーたらこーたら」「ドラゴニックサインがなんだかんだ」と、お客さんの持ち時間の限りそんな話しかしない。できない。そんな占星術など、本当に困っている人は望んでいないのですが、視点が幼稚だからなのかTwitterでばら撒かれる無責任粗悪占星術の悪影響なのか、ほんとにそんなのばーーーーーーーっかですよ。。。胸焼けして食欲が萎え、本当に机をひっくり返したくなります。ちなみに数秘術を扱う人も占星術クラスターとすんごい傾向が似ていて、気持ち悪い。

 本当におカネをいただける鑑定というのは「当たる鑑定」なのであり、そして鑑定結果をどういう風に利用していくかということを心理学的・経済学的・思想的に、論理的に話してあげられること。占星術だけにこりかたまったのではなく、心理学も医学書も歴史も経済学も天文学も錬金術も、とにかく多様な教養を身に着け、どんなエグゼクティブが来ても気おくれせず話せる能力が要ります。

 そう――。実は占い師の仕事は「人一倍教養を磨く」ことなのです。だから私は泣きながら、つねりながら、苦痛の表情を浮かべながらでも年間最低50冊、できれば100冊の本を読むことを自分に課しています。その中身は占星術本だけではありません。けっこう多彩なジャンルの本を読んでいます。それこそ心理学書に東洋医学、西洋医学、天文学書に航海術の本や、時計技術の本、科学の本、歴史、興味を引いたもの片っ端からです。そのうえで輸入した占星学書も翻訳して、ごくごく少人数の生徒に教えています。私の願いは「本当に当てられて、人格的にも信用されるに足る占星術師」を、一人でも多く輩出することなのであり、占い館の社長さんが「酒井さんに教わったのなら絶対大丈夫!!」と思ってもらえる人材を作ることです。無根拠妄想占星術本だの星占い手帳だのを書いている場合じゃないのです本当は(汗)。

 そしてマリーシェルの社長さんもこちらの記事→YouTubeや通信講座で占いを勉強って、ホントにそれ意味あるのか? | マリーシェル|チャット占いUranow(ウラナーウ)と秋葉原・吉祥寺の占い館 (ameblo.jp) でお書きであるように、TwitterとかYoutubeとか、その他ブログで拾える程度の知識で、プロになったような気にならないでください、ということは本当に思います。まったく同感です(汗)。

 特にTwitter占星術アカウントはもう本当にひどい状態で、ごくまれにきちんと勉強した方の含蓄ある、構成力のある占星術を見かけることもありますが、それは本当に少なく、もう9割くらいが、ネットで拾ってきた占星術情報をああでもない、こうでもないとこねくりまわすだけのものなので、見ていて胸焼けがしてきて、本当に食欲減退効果があり、気持ち悪いので私は見ないようにしています(汗)。血圧上がって死にそうになるんでね。。。マリーシェルの社長さんの血圧が本当に心配です(汗)。憤死しない程度にがんばって欲しいと心から思います。私が占星術をお教えした「長尾宝龍先生」が働いていらっしゃる会社なので、みなさんマリーシェルさんよろしくお願いいたします。まぁ、お前ら、あんまりにわか占星術で占い館の人や、占いショップの店長を困らせるんじゃないよまったく。。。

 やれやれ。

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