VICE-ヴァイスー孤独な予言者, 公開中の小説

 ドアを出るとそこには、池田史郎が静かに座り、川嶋貢が、部下とともに待っていた。

「山本先生、助かったよ。とりあえず、これは切ってもらってあった手形だ。約束した通りの金額ぶんを返そう。あと、これは処置代30万だ。足がつくと ...

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 田代の話は、こうだ。

 しらゆりテレフォンサービスに、郷原から託された、03―××××―△△△△という番号を調べに行った田代は、そこの社長からこの番号をここ何年も、ずっと使っている業者が“桂川興産かつらがわこうさん”とい ...

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「でもなぁ。負けたらこの人、もっと地獄を見るんだぜ?」

「ああ……。確かにな。だから俺も、この方法だけは切り出したくなかったんだが……。でも、自宅ビルがすでに、差し押さえの対象になっちまってる今、この人の両親を、占有屋せん ...

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「本当か?」

「ああ。これならたぶん、ハメるのはわけない。簡単にすっ転ぶだろう」

「具体的には、どうしたら……?」

 川嶋は、思わず身を乗り出していた。

「そうだな……。この息子は、医者 ...

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 金色のオーデ・マ・ピケの腕時計が、午後4時を示していた。平安ファイナンスの社長用デスクで、川嶋貢かわしまみつぐは、部下からの連絡を待っていた。

「そろそろだな……」

 呟つぶやいて川嶋は、事務の女性が淹いれて ...