VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 

 引きこもりの永森が、エロ動画サイトを眺めながらゴロゴロしていると、不意にピンポーン、という呼び鈴が鳴った。慌ててエロ動画を消して起き上がり、インターホンを覗いてみると、見たことのあるオッサンが立っていたので、半纏はん ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

「……どういうことですか夏実。女性を拉致するだなんて。私はそのような指示は出していません。ただ、郷原が間違いなく持っているはずの、不比等の金印を見つけ出し、ヤツに謎かけの招待状を渡せればそれでよかった」

 電話は、クリシュ ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 その頃、自分の住まい代わりにしているダイヤモンドパレスホテルに戻った郷原は、すぐに深夜勤務中のフロント係に言った。

「さ、さっきの俺の電話ッ!! あの電話に応答したフロント係は誰だっ!!」

 血相を変えた郷原 ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 場面変わって、北山あかりのそれからである。

 新潟にある老人施設に入れられた祖母に、面会しに行った北山あかりは、施設の外にタクシーを待たせて祖母と会ったが、その変貌ぶりに愕然とした。最後に祖母に会った時は、まだ普通に歩い ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

「もう嫌……。どこに行ったらいいの……? あたし……」 

 あかりがポケットに手を入れて、深いため息を吐き、歩き出そうとした次の瞬間。「げぇッ!! オエッ!!」と、誰かが吐いているような音が聞こえた。

(何?  ...