VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 やがて現場に到着した川嶋と郷原だったが、川嶋は真っ先に社長室に置いてある、会社の金庫を確認した。案の上、金庫が開けられていた。

「ダイヤルロック式だぞ?! なんで暗証番号がわかったんだッ!」

 川嶋は憤慨ふん ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 場面変わって、北山あかりのそれからである。

 新潟にある老人施設に入れられた祖母に、面会しに行った北山あかりは、施設の外にタクシーを待たせて祖母と会ったが、その変貌ぶりに愕然とした。最後に祖母に会った時は、まだ普通に歩い ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

「お客さん、いい加減泣き止んでくださいよぉ~……」

「…………………」

 あかりはタクシーの後部座席で、ずっとめそめそしていた。結局返すことができなかった鍵とカネである。タクシーの運転手は困惑していた。行き先も ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

「もう嫌……。どこに行ったらいいの……? あたし……」 

 あかりがポケットに手を入れて、深いため息を吐き、歩き出そうとした次の瞬間。「げぇッ!! オエッ!!」と、誰かが吐いているような音が聞こえた。

(何?  ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 その数時間前のこと――。

 郷原の部下で、かつ、お守り役である元刑事の田代英明は、家の中で、今日、病院から帰ってきたばかりの母親と、息子の直人から、白い視線を浴びせられていた。

 特に、田代の息子、直人の視線 ...