VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

郷原は、新橋ダイヤモンドパレスホテル近くの、土橋インターから首都高速道路に乗ると、西銀座ジャンクションから江戸橋ジャンクションを抜けて、首都高速6号向島線に入った。年末の30日だというのに、相変わらず首都高は渋滞気味でイライラした。一 ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

「こうなりゃ、郷原にすぐ、こいつを引き渡すしかねぇ……」

 運転手の石塚は、ハンドルを必死に押さえて言った。

「しかし、果たして、女と引き換えだったとして、郷原が来るでしょうか……? 長年、否定し続けてきたので ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 あかりは恐怖を感じて、思わず散らかった室内を後ずさり、物陰に隠れた。

 人影はせわしなく鍵を開け、プレハブ小屋のサッシの入り口を開けると、懐中電灯で室内を見回した。

「おい、居るのか? 大丈夫か?!」 ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 

 朝になり、田代が郷原のホテルの部屋を訪ねてみると――。

「うわぁッ!! な、なんじゃこりゃあ!!」

 田代は、のけ反るほどに驚いた。郷原がブツブツと、幽霊みたいに何事かつぶやきながら、天体暦と ...

VICE-ヴァイスー孤独な予言者 Ⅱ, 公開中の小説

 もやのかかった砂浜――。霧にかすむ波間には、二つの大きな黒い岩……。しめ縄が巡らされている……。

 郷原は、その砂浜にポツンと一人、立っていた。

 誰もいない寂しい砂浜のはずなのに、強い視線を感じる……。ふと ...