CHAPTER5、実行犯・江川夏実と岸本正巳(2)
「鑑識結果が出たらしいぞ郷原。座ってくれ」と、川嶋が促し、ソファに刑事二人を通した。
郷原と川嶋がその対面の上座へ座り、田代は少し離れた簡易椅子に腰かけた。刑事たちは挨拶もそこそこで、すぐに結果報告が始まった。
CHAPTER4、ホロスコープは無効~ヴォイド~(2)
引きこもりの永森が、エロ動画サイトを眺めながらゴロゴロしていると、不意にピンポーン、という呼び鈴が鳴った。慌ててエロ動画を消して起き上がり、インターホンを覗いてみると、見たことのあるオッサンが立っていたので、半纏はん ...
CHAPTER3、導師クリシュナ(2)
「……どういうことですか夏実。女性を拉致するだなんて。私はそのような指示は出していません。ただ、郷原が間違いなく持っているはずの、不比等の金印を見つけ出し、ヤツに謎かけの招待状を渡せればそれでよかった」
電話は、クリシュ ...
CHAPTER3、導師クリシュナ(1)
その頃――。
ちょうど地球の反対側、アメリカ・アリゾナ州。
ソノラ砂漠にある巨大水素燃料実験場「ソノラシティ」では、日本国外務省科学技術企画部の上田部長が、行方不明になった部下、宮下広夢みやしたひろむの捜 ...
CHAPTER2、連れ去られたあかり(3)
その頃、自分の住まい代わりにしているダイヤモンドパレスホテルに戻った郷原は、すぐに深夜勤務中のフロント係に言った。
「さ、さっきの俺の電話ッ!! あの電話に応答したフロント係は誰だっ!!」
血相を変えた郷原 ...