CHAPTER4、ホロスコープは無効~ヴォイド~(1)
北山あかりが、何者かに拉致された翌朝。
田代英明は、川嶋に挨拶をして、郷原を見舞った後、独自に調査を開始した。
まずは手始めに、朝早く警察時代の後輩に当たり、現時点で判明している捜査情報を ...
CHAPTER3、導師クリシュナ(1)
その頃――。
ちょうど地球の反対側、アメリカ・アリゾナ州。
ソノラ砂漠にある巨大水素燃料実験場「ソノラシティ」では、日本国外務省科学技術企画部の上田部長が、行方不明になった部下、宮下広夢みやしたひろむの捜 ...
CHAPTER2、連れ去られたあかり(3)
その頃、自分の住まい代わりにしているダイヤモンドパレスホテルに戻った郷原は、すぐに深夜勤務中のフロント係に言った。
「さ、さっきの俺の電話ッ!! あの電話に応答したフロント係は誰だっ!!」
血相を変えた郷原 ...
CHAPTER2、連れ去られたあかり(1)
場面変わって、北山あかりのそれからである。
新潟にある老人施設に入れられた祖母に、面会しに行った北山あかりは、施設の外にタクシーを待たせて祖母と会ったが、その変貌ぶりに愕然とした。最後に祖母に会った時は、まだ普通に歩い ...
CHAPTER1、あっという間の再会(3)
「もう嫌……。どこに行ったらいいの……? あたし……」
あかりがポケットに手を入れて、深いため息を吐き、歩き出そうとした次の瞬間。「げぇッ!! オエッ!!」と、誰かが吐いているような音が聞こえた。
(何? ...