CHAPTER1、あっという間の再会(3)
「もう嫌……。どこに行ったらいいの……? あたし……」
あかりがポケットに手を入れて、深いため息を吐き、歩き出そうとした次の瞬間。「げぇッ!! オエッ!!」と、誰かが吐いているような音が聞こえた。
(何? ...
最終話 FINALCHAPTER、祈り
年の移り変わりを華やかに盛り上げようと、デコレーションされた、賑やかな夕闇の街。
この大東京は、孤独な地方出身者で溢れ返っている。だから、盆と暮れにはみんながふるさとへと帰っていって、妙に街は静かなのだが、それでも大晦 ...
第三十話 CHAPTER10、占い結果(2)
試合開始まで、残り25分――。
赤坂シンフォニーホテルの最上階、1泊120万円の、ロイヤルスィートルーム。
志垣智成はその部屋に置かれた、ゆったりしたソファで、ふんぞりかえってシェリーを飲んでいた。
第二十九話 CHAPTER10、占い結果(1)
首都高の高架が、六本木通りと平行に、どこまでも伸びていた。
東京メトロ “六本木駅” を降りて、麻布方向へとしばし歩く。
騒がしい交通と、人いきれを渡り、六本木らしい煌びやかな通りから、やや奥
第二十八話 CHAPTER9、占い賭博(3)
パァァァ……ン――!!!
鼓膜が張り裂けそうなほどの銃声だった。たましいごと、粉々になりそうな爆発が、とたんに郷原をこの世ならざる空間にとどめていたドーパミンの分泌を、完全に止めた。
4発目――。 ...